aki0011.jpg姉葉建築士による耐震偽装問題は二年前の事件でしたが、まだ記憶に残っている方が多いと思います。

彼のやってしまった「悪魔の誘惑」により、鉄筋が少ないマンションが実は多く存在していたことが判り酷い目に遭われた方も多い大変な事件でした。

その耐震偽装問題から端を発したのが建築・不動産不況問題でした。耐震に関する確認作業が長期にわたることによって申請手続きが全国的に遅延してしまったわけです。国は制度を難しい方向に変更することだけをやって、それがどんな形に何を生んでいくのかを全く想像もしていないお粗末さを露呈したと言えるでしょう・・・。社会保険や食品の問題だけではなく、この国の行政者は国民の立場に立って物事を考える訓練ができていないのではないかと怒りたくなりますね・・・。

官製不況と揶揄される建設業界に追い打ちをかけたのが世界金融不況でしたが、来月またまた建築士法の改正で混乱に拍車がかかることとなります

構造建築に関する建築士法の改正で一級建築士の役割区分が変更になることと、資格の更新制度の新設などが柱です。何を今更とあきれるような法律の改正ですが、これで本当に困ってしまう人も出てきます・・・。

構造診断や構造計算業務というのは非常に地味な仕事でもともと日の当たらない裏方としての業務と見られてきました。一時は業界でのワーキングプア・グループに位置されるほどで、この業務を志す人材というのが少ない状況にあったことは事実でしょう。

私の所に先月、長年にわたり構造計算業務を自営していた男性が相談に来られました。11月からの法律改正で単独では何も出来なくなってしまい仕事を受けることが出来なくなったという話です。今年54歳で、既に15年も自営で構造計算の請負業務で生計を立ててきたそうですが彼の持つ資格は二級建築士。これは確かに法律改正後は生計が立たないことになります、構造業務がいきなり一級建築士にのみ与えられるライセンスに昇格してしまったわけですから。

大手ゼネコンを中心に派遣先を探しましたが、資格と年齢がネックになり暗礁に乗り上げそうになりました。エキスパート・スペシャリストではありますが「派遣」という形態には意外に不向きな業務らしいことが問題でした。

そこで、改めて目線を変えて札幌で東京の構造業務を受注している設計事務所の社長に話を持っていったところ「二か月程度の見合い期間を設けた上で正社員登用を前提として来てもらいたい」という話になりました。

これは彼の年齢からみても非常にありがたい話と思います。「紹介予定派遣」という方法で、最大6か月派遣で働いたのち派遣先に正式に雇用されることを前提とした派遣形態です。仕事が認められたら年収600万~700万もあり得る話ですから。

今月20日からまずは二か月間、当社の社員として派遣で仕事をしてもらいその後は正社員として働いてもらう予定で契約を済ませたところです。とりあえず、契約をまとめましたのでホッとしているところですが法律の改正により翻弄される人生というのもあるのですね。

構造計算を志す方、または自営でされていた方・・・連絡をお待ちしています。まだあと二人くらいは紹介できると思います。