00312.jpg七月、私の周りは皆さんが蒸しますねぇ、暑いですねぇと仰るのですが・・・上海や東京と較べると超涼しく感じられる夏になっています。アジサイが大輪の花を咲かせる中で我が家ではひっそりと咲き始めました、漢字では紫陽花ですからムラサキ系の花ですね。

さて、本日登場してもらう技術者さんは44歳の独身技術者さんです。彼は高校を卒業して電気技術の道を志して資格取得に邁進する若き日々を送っていた方でした。「消防設備士」に始まり「第一種電気工事士」「一級電気工事施工管理技士」・・・・免許資格はその他に「大型・牽引・特殊二種免許」「移動クレーン」「高所作業車」「引込線工事士」「玉掛」・・・・この業界では資格と経験がモノを言う世界でもあり、彼のキャリアと資格は燦然と輝くスペシャリストとしての光彩を放つものでもありました。

順風だった彼の職業人生に影が差すのは36歳のとき、突然の腹痛で病院に緊急入院したそうです。診断結果は「クローン病」・・・。 彼は何の病気かが理解できなかったといいます。

この病は日本国内に2万人程度とされる難病の一つで、消化器官の難しい病気だそうです。例えば消化しにくい生野菜や肉などは消化器官が消化できずに体内にガスがたまってしまう、アルコール類を分解できないなどに苦しむことになります。

入院治療を余儀なくされて前職を退職し、この六年間を「時々派遣社員」として過ごし今年はアルバイトで食べていたと言います。

緊急で電気技術者が必要になって人材バンクにリクエストを入れたりするなど人材探しに奔走する中で彼のキャリアを知るところとなり、クライアントにそのキャリアを説明するだけでほぼ一発で受注という運びとなりました。

問題は、ここからです(笑)

形式的な顔合わせの日時を決めて先方に挨拶に行くというその朝、彼から電話があり「腹痛で救急車で運ばれました、行けません」・・・。これを業界用語で「ドタキャン技術者」と呼ぶわけですが、初めての取引先でもあり相手も疑心暗鬼になって担当を呼びつけられる騒ぎになりました。相手にしても業務にいきなり大穴が開くわけですし、「派遣は使いたくない」支店長さんを説得してくれての取引開始でもあって先方の担当者も面目丸つぶれな訳ですから当然ですね・・・。

その日の夕方、彼の住むアパートに出向いて話を聞き彼が重い病と闘う技術者さんであったことを知りました・・・。ウチの部長が彼と病院に付き添い点滴を受けるときに彼は「情けない・・・情けない」と涙を流していたという話も聞きました。これだけの技術・経験・資格を持ちながら仕事を遂げられない技術者も世の中にいるのですね・・・。

事の経緯や病気のこともすべてクライアントさんに説明し、定期的に通院する日を決めて認めてもらえば業務は遂行可能という判断で話を再開させて22日(火曜)から彼は現場に立つこととなりました。昨日も顔を見に参りましたが元気そうでホッとしました。

仕事が嫌だとか人に指図されるのが嫌だとか、人間の社会ですからいろいろなことが起こるのは当然のことですが難病と闘う技術者もいるのです・・・。彼が一人の仕事のプロフェッショナルとして未来を見据えることができますように、BECKは仕事のマネジメントとプロデュースを続けていきたいと願っています。